令和8年度改訂

2026年度(令和8年度)の診療報酬改定は、深刻な物価高騰と人手不足への対応が最大の焦点となっています。厚生労働省の基本方針や最新の議論に基づき、重要な項目を3つに絞って解説します。

1. 物価高騰・賃上げへの重点的な対応

今回、診療報酬の本体(医療サービスの価格部分)が**プラス3.09**と、約30年ぶりの高い引き上げ幅となりました。

  • 賃上げの加速: 看護師や医療スタッフの給与を引き上げるための「ベースアップ評価料」の継続・拡充が議論されています。
  • コスト増への補填: 光熱水費や食材費、医療材料費などの高騰による病院経営の悪化を防ぐため、基本診療料(初診料・再診料・入院料など)への上乗せが重点的に検討されています。

2. 医療DXの推進と効率化

IT技術を活用して現場の負担を減らし、患者の利便性を高める仕組みが強化されます。

  • マイナ保険証の活用: マイナ保険証の利用率に応じた評価や、電子処方箋の普及を加速させるための加算が議論されています。
  • AIICTの導入: 医師の働き方改革を支えるため、AIによる画像診断支援やオンライン診療、介護施設との情報共有ツールなどの導入が、点数としてより高く評価される見込みです。

3. 地域包括ケアと「急性期」の機能分化

2025年以降の超高齢社会を見据え、病院の役割分担をさらに明確にします。

 

  • 高齢者救急の受け入れ: 救急搬送された高齢者を積極的に受け入れ、早期のリハビリや退院支援を行う「地域包括医療病棟」などの評価が深掘りされます。
  • 在宅医療の強化: 24時間体制での訪問診療や、薬局による在宅薬剤管理の評価を上げ、自宅で最期まで過ごせる体制づくりが推進されます。